楽しみでおかしくになる。

 

・今日は嬉しい報告があったのでウキウキで日記を書きます。

 

輪るピングドラム映画化やったー!

 

・TV放送から10年経つんですね。TV版再編成に加えて新しいシーンもあるそうで。プロジェクトもいくつか動いているらしくて本当に嬉しい!

 

・2019年に放送されたさらざんまいも見たので、あの終わり方を選んだ監督が再び手がけるピンドラが10年前とどう変わるのかすごく気になります。

 

・人の生死や家族の絆を扱う作品って割と自己犠牲を美談や美徳として描きがちじゃないですか。大切な人を守るために動く、選ぶ、戦う、命をかける。

 

・クライマックスに至るまでのいきさつや葛藤の数々は見ている側をわかりやすく感情移入させるから、物語としては正解なんですよね。命がかかると特に。

みんなだいたい死ぬのは怖いから。だからそれを凌駕するパワーを目にしたら熱くなるし、恐怖に慄く姿には共感するし。

 

・でもじゃあその犠牲行為が本当に正しいかというと、全然そうじゃない。旧エヴァで14歳のシンジくんが世界を守るために選択の余地なく初号機に乗せられるのも、クレしん映画で5歳のしんちゃんが敵と対峙するのも、目の前の大きな問題を迎え撃つことが大前提で、そもそも己を危険に晒すことが是が非かについてはあまり言及されない。

 

・ピンドラは愛する人の死には敏感だけど自分の痛みに鈍感な人が多くて、テーマも含めてやっぱり「自己犠牲によって得られたもの」を描いたラストだったと思う。


・一方さらざんまいには大きく分けて2つのストーリーとエンディングがあるのだけど、自己犠牲を是と捉える側面と非と捉える側面のどちらも組み込んだ構成になっていて、最後の最後にとても希望のある終わり方をもってきていたので初見はうわ〜!!となった。

 

・決して円満な終わりではないし失ったものも大きいんだけど、それを全て含めたうえで未来のある、すごく救いのあるラストだった。


・あと子どもを子どもとして描いていたのがとても良かったんだよね、さらざんまいは。未成年は守られるべき存在だし、それを本人たちにも理解してもらわないといけない。どんな境遇でも等しく守られ、学び、生活を保障される義務と権利があるっていう訴えかけがあったのも良かったなって。


・ゲームのMOTHER2ではサマーズ(ビーチのマップ)あたりで仲間・ジェフの親友トニーから電話があり、「あまりジェフを危ない目にあわせないでくださいね」と釘を刺されるシーンがある。それまではクリアを目指しボスを倒すための旅を続けることに一生懸命だったけどその一言でハッとして、いま自分が操作しているネスも、仲間のポーラやジェフやプーも、みんな本来親元を離れる歳の子たちじゃないんだよな、と我に返る。

 

・漫画『青野くんに触りたいから死にたい』でも、みおちゃんのいとこ(教師)が無茶をする主人公たちに「君たちは子どもだから守られてなきゃいけない」といった旨の発言をするので、そのシーンを読み返すたびにそうなんだよ、優里ちゃんたちはまだ高校生なんだよ…と泣きそうになってしまう。

 

・青野くんを助けること、小学生の子達を守ることに必死な優里ちゃんたちもまた、守られてなきゃいけない歳の子たちなんだよな…。未成年に適切な対応をしてくれる大人がいることへの安堵は大きいし、作中に気にかけてくれる人が存在するという事実に救われた気持ちになる。

 

・子どもって大人が思ってるよりも大人だけど子ども自身が思ってるよりはずっと子どもだよね、と自分自身を振り返ってみて思う(今も成長し切れず子どものままな部分を多分にはらんでいると思う)けど、自分が大人に守ってもらった分、今度はなるべく子どもを尊重しつつも守る側でありたいなとは常々思っている。


・ピンドラ映画にはそういう大人は出るのかしら。
庇い合うように重なり合って傷つき合ってたあの子たちの新しいエピソードに思いを馳せながら眠りにつきます。待ち遠しいな〜。